お山歩日和

何となくで始めた山歩き、自分のための覚書。

谷川岳 黒歴史を塗り替える 2018.07.21

谷川岳。誰もが知ってる日本百名山。


数年前、ガイドブックの「初心者でも登れる天神尾根」という言葉を鵜呑みにして撃沈、時を経て再チャレンジした時の記録です。


山登りしよう!と初めての登山靴やザック、レインウェア等を揃えた数年前、地元の筑波山や那須岳、磐梯山を登り、季節は秋、次はどこ行く?という話になった時、相方から出たのが「谷川岳」


山登りしなくても知ってた谷川岳、なんかすごく険しくて怖くて遭難してる人がいっぱいいるところ、というイメージでした。

だから「え!無理じゃん!」と思ったのですが、天神尾根ならロープウェイで高度稼げるし、初心者でも行けるってよ…という事で決まった谷川岳。


歩くのが遅いのは分かってるから、少しでも早い時間のロープウェイに乗るつもりで出発。

秋の谷川岳、すごい人出です。駐車場もどんどんどんどん車がやってくる。

ロープウェイ乗り場も長蛇の列。ロープウェイに乗り、ついでにリフトも乗って歩きはじめました。熊穴沢避難小屋までは余裕で歩けたものの、そこから先がキツくてキツくて。岩場の急登が続き、当時履いていた靴のソールが結構滑りやすく、一歩一歩、歩くのにも緊張していたのです。

なので当然ヘロヘロになる時間も早く、目指す先が余りにも遠くてすっかり心が折れてしまい、登頂は断念💧

初めて行った谷川岳での洗礼、しばらくこの時の辛さはトラウマでした。絶対に行かない…と思っていたのですが…。


2017年、山歩きが日常となって、この時の事を思い出す事が多くなり、もう一度チャレンジしてみようかな…。という事で、谷川岳登頂が2018年の目標となりました。

そう思ってから、どうすれば山頂に立てるだろうか?と、コースタイムの配分を考えたり、登った人のブログを見たり。


谷川岳、天神尾根は危険箇所もないし、初心者でも十分楽しめるよ!的なのが結構目に付くんですけど、確かにそうかも知れないけど、そういうのを鵜呑みにすると、結構痛い目に遭いますよねー←私が正にそう。


念入りに準備をして、数年前のリベンジを果たすべく、梅雨の明けた7月、谷川岳へGO!


前泊で「ホテル湯の陣」に泊まりました。一人宿泊が安かった事、翌朝谷川岳までのアクセスもバス停が目の前で便利だったので。

着いてすぐ温泉に浸かりながら、谷川岳方面から救急車のサイレンが聞こえてきました。

誰か熱中症にでもなっちゃったんじゃないのぉ?

連日「命に関わるレベルの暑さ」と報道されていて、翌日もかなり暑い日になる予報。人の心配するより、自分が危ないかも知れないよ?

無事に登頂出来ますように…と、この日は早々に就寝。


翌朝…

ホテルの目の前にある湯檜曽川。水が透き通っててキレイです。


バス停に着いてバスを待つ。

バス、少なっ!

事前に調べて知ってたけどね。もちろん始発のバスです。こんな時間だから朝風呂も余裕で入れる。

ロープウェイを降りて、既に汗だく。相当暑くなりそう。大丈夫かなー?

バテないように、熱中症にならないようにゆっくり歩き出しました。

9時20分、出発します。

水をひとくち、塩タブレットひとつ、とこまめに給水&塩分補給。とにかくバテないように、ゆっくりゆっくり。

相変わらず私はガンガン抜かされています。皆さん、お元気ですな。


あそこまで行くぞー!

…ってあれは谷川岳なのか??


10時6分、最初のポイント、熊穴沢避難小屋に着きました。ここでザックの中のスポーツドリンクを取り出して休憩。

ここまで来るにも相当暑い。


でも…覚えてる。この先からキツくなるんだよね。

もうひと口、スポーツドリンクを口の中に入れて、先に行きましょう。

オバちゃん、頑張るよー。


ハイ、キツイねー。

皆さん、ガンガン抜いてください。私はゆっくり行くのです。ゆっくりでも前に進めば着けるよね。

ただひたすら、目の前の道を進む。

ひたすらそれだけ。

暑さに、急登のキツさに負けそうになりながら、水ひと口、タブレットひとつ。


ふと振り返ると、さっき休憩した避難小屋の赤い屋根があんなに小さくなりました。

だいぶ上がってきたのかな。でもゴールはまだまだ遠い。数年前、リタイアしたのはどの辺だったんだろうか?

あの時はただ辛いばかりであまり記憶にないんだよね。人間、嫌な事は記憶から遠ざけるように出来てるのか?


まだまだ続く。亀の歩みでいいの。確実に前に行く。


左を見るときれいな稜線が…。

すごくキレイ…。


まだまだ遠いなぁ…。


休憩しているたくさんの人がいます。

11時7分、天狗の留まり場に着きました。私もちょっと立ち休憩。


風が当たって緑の波が立つ斜面。

夏だなぁ。


優しい稜線(実際歩いたら厳しいんだろうけど)

標高が上がってきて景色に広がりが出てきました。


それにしてもキレイな稜線、いや、美しいという言葉の方が相応しい。

この稜線は万太郎山を経て、この前行けなかった仙ノ倉山、クタクタになって辿り着いた平標山まで続いてる。なんて美しいんだろう。あぁ、もっと体力脚力があったら、私もこの稜線を歩きたい!

ここを日帰りで行っちゃう人もいるんだよね。多分、そういう人と私は身体の仕組みが違うんだ。心臓4つくらいあるとか、肺が8つとか、絶対そうなんだよ。じゃなきゃなんで日帰りで行けるのさ(ーー;)


…ってどうでもいい事を考えながら歩いていたら…12時15分

あ〜!あ〜!あ〜!!!!!!

肩の小屋だぁー!

着いた!ここまで来れた!!!

数年前はここまで来られなかったもん。

まだ山頂まで先があるのに、既に涙腺崩壊しそうです。


良かった、ここまで来られた。

ちょっと座って休憩しよう。


ヤバイなー、なんか年取ると涙脆くなっちゃうよ。マジ泣きそう。

行動食を食べてエネルギーチャージしたら、いよいよ2つのピークへ行くよ!

ここまで来たらもう大丈夫!


何度見ても美しい。


反対側もすごい景色。


そして!!!!

12時47分、トマの耳着いたーっ!!!!!!

ヤバイヤバイ涙腺ヤバイ。

でもまだもうひとつのピークに行かなければっ!

もうちょっと頑張れ私!


行くよ!


花に励まされて…


来たァァァァァァァァァァァァァァ

13時、願いが叶った。

自撮りしようとしてたら近くにいた方が撮って下さいました…が、もうヨレヨレですね。

首には手ぬぐいかけてるし(^o^;


でもね、本当に嬉しくて、涙腺大放出。

さすがに人目のあるところでは耐えたけど、誰も居なくなった瞬間、嗚咽状態。

たかが谷川岳なんですけどね、ちょっと色々あってメンタルやられそうになったり、そんなこんなあんなで私にとって曰く付きの山だったんだ、ここは。だからその想いが一気に溢れ出して、傍から見たらただのアブナイおばさんなんだけどね。でもお願い、この瞬間、自分に浸らせて。


ものすごく暑い日だったけど、やっぱり登りはキツかったけど、そういうものが一気に払拭される景色が待っていました。

あぁ、ここに来ることが出来て本当に良かった…。


日帰り登山の時は、下山のタイミングは13時、と決めています。今日はちょっと過ぎちゃったけど、13時25分、名残惜しいけどオキの耳を後にします。


岩岩の中に小さな花園。

やっぱり見惚れちゃう稜線。

険しさと可憐が同居してる谷川岳。

ずっと見ていると谷底に吸い込まれそう。

歩いた道を振り返って。登らせてくれてありがとう。


肩の小屋に戻り、ちょっと中に入ってみます。いつもは一気に下山してしまうんですが、あまりに暑い日だったので炭酸飲みたい…。

思わず一気飲み! しみる〜!


見納めの稜線。

さ、14時5分、下山しますよ。グズグズしてたらロープウェイ乗れなくなっちゃう。


あれだけヒイヒイ言いながら登ったところも、下山になると早いよね。

この時に履いていた靴は私にとって2代目の、モンベルのアルパインクルーザー2000。お店で「谷川岳に登りたいんです!」って言って買ったんだよな(笑)

本当にこれは滑らないなぁ…と思って足元を見たら、、、ほつれてるし(・・;)

↑↑↑↑↑↑

この事がゴロー購入のきっかけになった。


でもこのモンベルのオリジナルソールは本当に滑りにくいですよ。滑らないのが欲しいと思う方には結構オススメです。(モンベルのまわし者ではありません、念の為^_^;)


ひたすら歩いて行くと…

15時45分、ロープウェイの駅が見えてきました。

手を見ると浮腫んでパンパン。夏場の登山では結構浮腫んでしまう事が多いです。トイレも行かないし、体液の循環がうまくいかないんでしょうね。なのでロープウェイに乗る前に…

コーヒー一気飲み。

疲労物質は排尿でしか排出されないとかで、登山後にコーヒーを飲むのは理にかなってるそうです。


ロープウェイに乗り、ぼーっと歩いてきた場所を眺めていました。乗り合わせた方々は西黒尾根を登って天神尾根で降りてきたらしい。あちらは私は一生歩けないところだ(・・;

「天神尾根も登ると結構キツイよね」と言ってるのを聞いて、心の中でうんうん頷く。


ロープウェイを降り、とりあえずソフトクリーム。ここでのんびりし過ぎて最終バスで駅へ向かう羽目になってしまった💦

のんびりする前にバスの時間はチェックしましょう!


肩の小屋で購入した手ぬぐい(私、手ぬぐいマニアです。持ってる手ぬぐいは全て現役)

よろこびを語る友はいないソロ登山だったけどね(笑)

(後日、この手ぬぐいは尾瀬夜行に乗る前の浅草のどこかで失くしてしまった💦💦)


トラウマだった谷川岳、こうしてなんとか私でも頂に立つことが出来ました。

楽勝の方も多い山ですが、私には決して楽勝ではなく厳しいところでした。でも厳しくて優しい山、また訪れたいと思ってます。


この時のログ&GPSです。


お付き合い頂き、ありがとうございました。

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